現場から相談員になる前に考えておきたいこと
介護職員として現場で自分の手を使って介護を行ってきた人が、生活相談員になることはよくあります。経験を生かして多くの人たちにアドバイスをしていこうと考えて選ぶ傾向がありますが、働き始めてから転職したことを後悔することもあるので注意しなければなりません。
後悔する主な原因として、現場で働いていたときと同じようなやりがいが失われてしまうという事例があります。介護を担うのは体力的にも精神的にも重労働になりやすいものの、実際に自分でサービスをして感謝してもらえる喜びを感じることができます。仕事をした成果をその場で実感できるのは、介護現場で働くやりがいとして大きなものでしょう。
しかし、生活相談員になると自ら手を動かすことは少なく、そのような直接的なやりがいを感じられる機会がなくなってしまいがちです。相談を通した支援を間接的に行うのが生活相談員の特徴であり、施設の担当者などとのやり取りをすることはあっても、相談に来てくれた人が結果としてどうなったのかすらわからない状況になることもあります。
利用者と喜びを分かち合うことにやりがいを感じていた人は、生活相談員になる時に何に求めて働くのか、何がモチベーションになるのかを考えておくのが大切です。相談に来てくれた人やその家族が後になって状況を報告に来てくれることもありますが、それを期待しているとなかなか達成感は感じられないでしょう。実際に相談員になった自分をイメージして、しっくりくるかどうかを確かめることが重要です。